今回の発掘調査は、新名神高速道路建設工事に伴って、兵庫県教育委員会が(公財)兵庫県まちづくり技術センターに委託して実施されたものです。
猪渕谷坑道群は、銀山地区の採掘量を補うために17世紀後半頃に採掘が始まったと言われ、坑道前から明治時代初めごろのものとみられる銅の製錬施設跡が見つかりました。
坑道と精錬施設がセットで見つかるのは多田銀銅山では初めてで、明治以降の生産実態を知るうえで貴重な成果ということです。
1号坑道(立坑)
底で4方向の横穴に通じる
2号坑道
奥行きは20m前後
坑道と水抜き穴
水槽
精錬炉跡
焼竃
説明会に参加した会員の皆さん
当日の見学会は,猪名川町の広報誌の他、複数の新聞に掲載されたため、大勢の参加者がありました。前日の雨で道がぬかるむ中、参加者は説明する現場担当者の話しに熱心に耳を傾けていました。
今回は建設工事で偶然発見されましたが、銀山地区を中心とする近隣の広い地域には多くの間歩をはじめ、まだ未発見の坑道跡やその他の多くの遺構が残されているのだと、あらためて感じさせられました。