● 連載 ②

念力山(ねんりきやま)の死神

銀山集落の中心、銀山川沿いに緑青を帯びた大露頭が突き出しています。「柵内銀山領内」で鉱山として大隆盛を極めた区域です。七口間歩(七つの坑口が並ぶ)の全盛期に、鉱夫達は仕事がきつく大変だったので、思いあまって銀山川に投身した者が絶えませんでした。投身した者の中には渡り鉱夫と言って、国から国を移動して歩く職人鉱夫も多かったのです。
 いつの頃からか、念力山には死神さんがいる、と言い伝えられるようになりました。大雨の夜などはゴーッ、ゴーッと大きな地鳴りがあるので恐ろしかったそうです。
 ある年、北側の石が崩れました。そしたら奇妙にも北側の家々に不幸がありました。また、ある年、南側の岩が崩れました。そうしたら南側の家々に不幸が続きました。「たたりじゃ!」ということで、村人達は集落の中ほどに残る「お地蔵さん」に願いを込めて死者の霊を祀りました。すると、たたりが治まったそうです。
 また、その昔、銀山川を通りかかった修験者が、銀山の集落をふさいでいた巨大な龍を、念力をもって岩にしてしまいました。このことから念力山と呼ぶようになったと言い伝えられています。

<青木間歩>

  唯一、坑道内を体験できる間歩です。

見学時間:9時〜17時

12月29日~1月3日は休み

多田銀銅山は、平成19年度経済産業省「近代化産業遺産」に認定されています。